不思議となつかしい楽庵の割子そば。5段にいたす…

新宿二丁目の仲通り。夜になるとにぎやかになる街ではあるけど、昼は閑散。田舎の商店街のようなムードになっちゃう。
そば屋が一軒ありまして「楽庵」という店名。小さなお店。
実は同じ通りの別の場所に、深夜営業のそば屋が一軒、昔はあった。ゴリゴリとした十割蕎麦が当時としては珍しく、贔屓にしてた。
そこにいた人の一部が移って働いていた店。元のお店は今はもうなく、その店の当時のムードや料理が今でもほどよく受け継がれてる。
なつかしさに浸りましょうか…、とひさしぶりにやってくる。
今はなきその店は野菜天ぷらと割子そばが名物だった。7、8センチほどの長さに筒切りにしたネギに、縦に深く切り目を入れて衣をつけて揚げると花が開くように切られたネギがそっくり返って揚がってく。その天ぷらが好きで夜中によく食べたもの。ただその天ぷらは今はなく、だから割子そばを注文。

三段、五段、七段とあり、ほどよきところで五段を選ぶ。
生まれてはじめて割子という食べ方を経験したのがその店だった。
「召し上がり方はご存知ですか?」と今日尋ねられ、東京ではまだまだ知らぬ人が多い料理なんだな…、と思ったりする。
手のひらサイズの漆の器に色黒の蕎麦。
色黒の蕎麦がふたすすり分ほど収められていて5段でちょうどせいろ1枚分くらいかなぁ…、そこにタレと薬味が揃う。
薬味がたっぷり、しかもいろいろ揃うところが割子のたのしいところで鰹節に海苔、もみじおろしにわさびに白ネギ。それらを直接器に収まる蕎麦にのせ、タレをかけてスルンと味わう。

まずは海苔。タレをたっぷりかけて箸で持ち上げ半分ほどをたぐって食べる。蕎麦の風味にタレの味わい。海苔の香りが鼻から抜ける。残り半分は器に口つけ、タレと一緒にザブンと飲み込む。タレの旨味で口が潤う。
次の器にもみじおろしと鰹節。前の器の中に残ったタレや薬味を次の器に移して、新たにタレを少々かけてそしてズルン。…の繰り返し。
おいしいバトンタッチしながら、蕎麦の入った器の山の隣に空の器を重ねる。一つの山が隣の山に移動させつつお腹が満ちる。最後はそば湯でお腹あっため、さて仕事へと席を立つ。

 

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