なだ万の朝食、ランデブーラウンジで出発の前

週末、日曜。羽田から西に向かって移動の朝。
とびきりの朝ご飯からはじめる旅にしたいなぁ…、と帝国ホテルのなだ万のことを思い浮かべる。
ちょっと寄り道になっちゃうなぁと思うも、そうか、帝国ホテルからリムジンバスに乗ればいいんだと良き言い訳を思いつき、勇んで出かける。
さすがに日曜の朝はみんな寝坊をしてるのか、お店は静か。ぐーっとお腹が鳴る音が聞こえるようで気恥ずかし。
木造りのやわらかな空間を、凛としてすがすがしい朝の空気が満たしてる。背筋が思わずしゃんと伸びます。お粥の定食をお願いし、お茶をゴクリと飲んでお腹の虫をしばしなだめる。ほどなくして運ばれてくるお膳の上に色とりどり、形様々な器の数々。日本の料理ならでは目のご馳走です。蓋をいただく器もいくつか。開けるたのしさにお腹もニッコリ。

ここのお粥はぽってりしすぎず、かと言ってサラサラというわけでもなく塩梅がよい。
味はつけない白粥で、そのまま口に含むと米の風味と自然な旨味が口に広がる。
1日のはじまりに体がリセットされる感覚。
ほどよく熱く、しかも熱さがお腹の中に届くまで持続する。
だから体が芯からあったまる。

白粥には銀餡がつくのが一般的で、けれどここでは梅餡がお供にやってくる。
酸っぱい。そしてほどよく塩気が入っててお粥の甘みを引きたて口をさっぱりさせる。口の中から目の奥が直接刺激を受けて目覚める…、爽快感がたまらない。この白粥をおいしくさせる料理さまざま。

梅干し、漬物、エノキおろしに表面だけを焼いたタラコにちりめん山椒。日本の朝ってやっぱりステキとウットリします。
タラコのかたわらに添えられていたコンニャクを食べてびっくり。
クニュンとこんにゃくが前歯に当たったと思うまもなくゴツンとこんにゃくらしからぬ何かに当たる。
見ればコンニャクの真ん中に包丁を入れゴボウを一本仕込んで炊いたモノで土の香りがこんにゃくの煮付けをたくましくする。

鮭の塩焼きの下にはふっくら仕上がる手作りかまぼこ。
小鉢の蓋をあけると中には煮物。
舞茸、里芋、飛竜頭、レンコンとどれもにじんわり出汁が染み込みしみじみおいしい。
しかもそれぞれの素材が一番おいしい状態に、炊き分けられているのにいつもながら感心します。

珍しいことにだし巻き卵がついていた。しかも端の部分で焼けた玉子の香りがおいしい。口に含むとおいしい出汁がジュワッと染み出し思わずニッコリ。キチッと絞った大根おろしの甘みもうれしい。
袋に入ったちりめん山椒をパラリとお粥の上にふりかけ、ざぶざぶ食べてお腹も満ちる。奥歯でプチッと実山椒が潰れて緑の香りとしびれにいささか驚く。煎茶を飲んで席を立つ。

 

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バスの時間までコーヒー飲んでぼんやり過ごす。
ホテルの一階のランデブーラウンジ。
開店直後ということもあるのでしょう。それに日曜日ということで、いつも打ち合わせでこのラウンジをにぎやかにするビジネスマンの姿が見えない。
テーブル同士が離れてて、ゆったりとした空間の店。満席近くになってもザワザワしないのんびりとしたムードが一層、のんびりしてる。
コーヒーで満たした銀のポットをうやうやしく運ぶ背筋の伸びた女性スタッフ。ススっと腰を落としてカップにやさしく注ぐと、コーヒーの香りがふわりと鼻をくすぐる。苦味も酸味もほどよいコーヒー。ロビーに置かれたクリスマスツリーをぼんやりみながらぼんやり飲んだ。そろそろ時間となりました。

 

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