どれだけ食べても2000円にはならないんだよ!

ひさしぶりに渋谷に来ました。
ボクの住んでる四谷三丁目から電車で来ようとすれば必ず乗り換えしなくちゃいけない不便な街。でもたまに来ていた。乗り換えなしで渋谷にいける路面バスあるって知ってからは、身近な街にもなったけど新宿ベースのボクにとっては気持ちが遠い街だった。
タナカくんは好きだったなぁ…、渋谷って街が。単館上映専門の小劇場やライブハウスによく来てた。馴染みのお店も何軒か。今はクローズしてしまったけど担々麺のおいしい店や、気軽でなのにおいしい回転寿司の店。
天下寿司というのがその店で、今日はひさしぶりにやってきてみる。
道玄坂の坂の途中の小さなビルの半地下にある小さなお店。寿司を握る職人さんは熟年スタッフ。サービスをするのは日本語を母国語とせぬ人たちで、ちょっと怪しいムードがあるけどこれがなかなかの実力派。売り物をしっかりと決め、それをおいしくするための努力を惜しまぬいいお店。

大衆的な回転寿司で大切なのは「しゃり」がおいしいことに尽きる。だってお腹いっぱいにしにきているわけだからネタがどんなに上等でもしゃりがおいしくないと台無し。ここのしゃりは「人肌」温度で、口の中ではらっとほどける握り具合もまた絶妙。
それからね…、ここのエビはおいしいの。
当時はボクも痛風なんて気にすること無く寿司屋に行ったらエビ三昧。たしかにここのエビはむっちり、歯ごたえがよく弾力健全。香りがよくて旨味、甘みがしっかりしてる。当時は110円だったんじゃなかったかなぁ…、この値段ですごいネって感心したのを覚えてる。

回転寿司の花形はなんといってもマグロでしょう。
それも上等。マグロ三貫というのが売りで、トロに中トロ、赤身が並ぶ。
どれも色合いうつくしく、人肌のしゃりと一緒に口に含むととろける。
ベルトの上をワサビを入れた器が流れる。
当時は海外からのお客様が結構多くて、特に中国系の人たちは山葵色した醤油を漬けて魚の匂いを消し、食べたりした。
ボクも案外ワサビたっぷりの醤油が好きで、特にここのマグロにはワサビがよく合う。
今日もワサビの甘みをたのしむ。

貝がおいしいのも昔から。
ただ今の時期は常時仕入れは少なくて、今日はホッキと赤貝だけ。その分、おいしいものを安くというのがありがたくもある。
いまどきベルトを寿司が流れるお店は珍しい。感染予防はどうなってるの…、と心配する人はお店の人に注文して握りたてを貰えばいいという割り切りがあるのでしょう。
流れている寿司の状態はなかなかによく、例えばコハダ。イカとどれも味わい豊かで歯ごたえもよし。
穴子のツメが甘くて焦げた香りがこうばしいタナカくんの好みの味わい。ウニは流石にそこそこだけど、回転寿司ってね、多分、これでいいんだよ。だって食べたいものをいくら食べてもここなら絶対2000円は越えないんだもん。回転寿司はネ、それがいいんだ…、ってよく言っていた。

ボクがお調子者で不機嫌なグルメ気取りにならずにすんで、ごきげんな食いしん坊であり続けることができたのは多分タナカくんのこういうバランス感覚を学べからなんだろうな…、と思って本当に感謝する。
鉄火を一本。ワサビをのせつつ食べる。海苔がこれまた旨いんですネ。ガリもおいしく甘み控えめ。大人の味で口がスッキリするのがうれしい。
ここの巻物の人気の一つが「かんぴょうわさび」。ワサビをたっぷり塗ってまいた干瓢巻きで甘い干瓢にワサビの辛味がキリッとおいしい。今日も堪能。オキニイリ。
結局ひとりで10皿食べた。若い頃には20皿はペロリといけた。今日ももっと食べられたけど大人の分別を発揮した(笑)。
昔に比べて値上げをしてて、けれどこれだけ食べても1700円ほど。どんなに食べても2000円は越えないんだもん…、って言ってた通りの勘定でした。また来ましょうネ…、ニッコリと。

 

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コメント

  1. Leocco

    なるほど〜〜
    ごきげんな外食の楽しむ姿は、そうやって調整されていたんですね!

    一緒にテーブルを囲み、楽しい時間を過ごすって素敵ですよね。
    特に今のこの状況下だと、そういう食事が、身にしみてありがたいです。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      仕事柄、外食を小難しく考える傾向がどうしてもあって、そんなときに食べることをもっと単純に捉えてたのしめばいいんだよ…、って言ってくれる彼の存在はとてもありがたいものでした。
      1人で食事するときも、彼ならどう考えるかなぁ…、って思いながら食事するようにしています。いろんな見方ができて、楽しめます。

  2. ののこ

    いつも楽しく拝見してますが、コメントでは、はじめましての渋谷民です。
    回転寿司は道玄坂の台所家が好きだったのに、コロナ緊急事態宣言頃に閉店しちゃったのでしょんぼりしてます。
    つまみメニューが豊富でゲソの揚げたのとか、ちょっとした焼き物楽しんでからお寿司で〆るの気軽で好きだったのですが。
    台所家一辺倒だったので天下寿司は未訪でした。今度行ってみます!

    担々麺は桜ケ丘のところでしょうか?そこだと元スタッフが味を守る!とオープンした新しいお店が坂の上のほうに出来て、排骨担々麺ロスの方々で賑わってるようです。カロリーを気にしてついスープ春雨のお店の方に足が向かってしまうのですが(笑)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ののこさん
      台所家さんは残念でした。そこも好きだったのですが、行くと調子に乗ってビールを飲みすぎちゃうんだよね…、って嬉しい悲鳴の店でした。
      担々麺はおっしゃるとおり亜寿香さん。新しいお店はまだいけてないんです。行けば絶対にパーコー担々麺になっちゃいますネ。自分で具材を選んで作ってもらえるスープ春雨のお店は到着するまでの坂道が苦手だったようで、なかなか足がむきませんでした(笑)。
      はじめまして。そしてコメントありがとうございます。渋谷には思い出の店がたくさんあって、またちょっとづつ訪ねてみようと思っています。

  3. batten

    廻ってる寿司でも職人がいるんでしょう?握りの形も真っ当だし鉄火巻きの鮪の芯が真ん中。
    大手には真似のできない回転寿司ですね。

    むこうのグランメゾンのように飯は楽しく食べたいです。
    完全予約の一斉スタート&店主の蘊蓄ショーは苦手なんです。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      battenさん
      ロボットが作る角張っているのとは違う、コロンと丸いシャリを見ると、当たり前のことのはずがありがたいなぁ…、と思ってしまう。回転寿司は本当に不思議な存在になっちゃいました。
      お店の言うことを聞かない客は客じゃない…、っていうのはもうサービス業じゃなくなってしまっていると思うんです。お客様の希望を叶える場所がレストラン。そうあり続けてもらいたいと思います。

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