とんかつに胡麻

新宿駅の西口側、地下商店街の「さぼてん」にくる。
日本全国は言うに及ばず海外にも出店していて500店もあるんだというから、おそらく世界最大のとんかつチェーン。お店に必ずテイクアウトコーナーが併設されているのも特徴。
人によっては「弁当屋のイートインコーナーみたいで高級感を感じない」このスタイルを嫌う人もいるけれど、テイクアウトの売り場だけの店も少なからずあって今の時代にはそれで結構得しているように見えたりもする。
ちなみにここが本店で、創業の店。
季節季節でいろんな素材を提案していて、今はホタテのフライが売り。ホタテフライ一個にロースカツの盛り合わせの定食たのむことにした。「黙食」の張り紙をみながらのんびり料理を待つことにする。

まずゴマが入ったすり鉢と小さなすりこ木が運ばれてくる。
それまで一般的だったラード混じりの油で揚げたとんかつに比べて、植物油だけで揚げたかつは風味がひ弱に感じる。それでゴマをすりおろしてソースと混ぜて食べれば風味が良くなるだろう…、ってことでさぼてんがはじめたやり方で、それを新興とんかつ店はしきりに真似た。
1990年代にとんかつ店の経営者が集まると、白ごま、黒ごま、ゴマの分量はどのくらいが適切なのかと議論白熱。食の世界にただひとつだけの正解なんてありはしないのに、みんな他の人たちのやり方が気になってしかったなかった。
そんなことより、胡麻をおいしく食べる食べ方にこだわるほうがずっといいのに…。

…、とそんなことを思い出してると隣のおじさんが届いた胡麻をいきなりゴリゴリすりはじめた。
胡麻は食べる直前にすらなきゃ香りがたのしめない。
しかもそのおじさん。
すごい勢いでずっとゴリゴリ擦り続けてる。
とんかつがくるまでの手持ち無沙汰を解消しようということなんでしょうけど、そんなことをしたら胡麻と油が分離して風味は悪くなる上にエグミも出てくる。注意したくてうずうずしたけど、好みもあろうかと我慢した(笑)。
そうこうするうちにボクの料理が到着し、そこで軽くやさしく胡麻をすってやる。こうばしい胡麻の香りがふわりと湧き立ち食欲誘う、オゴチソウ。メインの揚げ物、千切りキャベツ、ご飯に汁でひと揃え。

胡麻のすり鉢にソースは入れず、汁のお椀の蓋の内側の蒸気を拭ってそこにソースを入れてやる。ホタテのフライは醤油でどうぞと出汁醤油がやってきていて、これでいろんな組み合わせで食べることができるのがいい。
まずすりおろしたばかりの胡麻をパラリとちらし岩塩けずってパクリと食べる。胡麻の香りが油の風味を豊かにしソースがなくても十分おいしい。ご飯のおかずにはやはり醤油やソースの力を借りたほうがいいのだろうけど、かつの持ち味を味わうには胡麻と塩が一番かもなぁ…、って思ったりする。
レアで仕上がるホタテもおいしい。千切りキャベツやご飯、味噌汁がおかわり自由という自由。チェーンストアとしてはちょっと強気の価格設定でそれでよければそれでよし!

 

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