つばめグリルの執念と情熱

ひさしぶりに「つばめグリル」にやってきてみる。
新宿駅に隣接したルミネという商業ビルの食堂街にあるお店。比較的大人コンセプトのお店が多く集まるフロアで、最近、テナントの刷新をした。
かつてこのフロアの人気を独り占めしていたバフェレストランがなくなって、代わりにサラダバー付きのステーキレストランに変わった。
カフェ造りのご飯がおいしい食堂は、居酒屋みたいな造りになって、うどん屋さんができてたりする。
夢より実利。気軽におしゃれに腹いっぱいという時代のムードを反映してのことなんでしょう。お勉強。

ここは昔と変わらず。
広いテーブル、座り心地が悪くなく、でも決して良すぎない椅子。
背筋の伸びるレストラン的インテリア。
どのテーブルに座っても厨房の気配を感じることができる程よい大きさも、おいしいものが食べられそうな予感を作る。

商品も昔と変わらぬ執着心さえ感じさせる品揃え。
まずトマトのファルシサラダが出てくる。
トマトの芯をくり抜いて、そこにサラダを詰めたもの。
きゅうりとカニのマヨネーズ和えで、カニの風味ときゅうりのシャキシャキした食感がトマトと一緒になって口へとやってくる。
感心するのがトマトの状態。
甘い。なのに硬くて肉はたくましい。ナイフを入れるとスパッと切れて口の中ではじめてジュースを吐き出すおいしさ。
食べ終わる頃、メインが到着。つばめ風ハンブルグステーキです。熱々の鉄板の上にパンパンに膨れ上がったアルミホイル。大きなホイルを2つに折って餃子の皮をくるむよう合わせてたたむ。中にはハンバーグとビーフシチュー。

オーブンの中で温められて中の空気が膨張しアルミホイルが膨らんでいる。
ナイフでポンッと叩くとホイルが割れておいしい香りの蒸気がボワンと
噴き出す。
お腹がグーッとなる景色。
アルミホイルも熱々でナイフフォークで上にかぶさるホイルを剥がす。
中ではグツグツ、シチューが激しく沸騰してる。

このやり方を昔はみんな真似をした。真似したけれど思ったほどに人気が出ないお店がほとんど。それでいつしかやらなくなった。一方、つばめグリルは執着心と情熱をもってこれをずっとやり続けてる。
つばめグリルと聞けばほとんどの人がこの料理を思い浮かべるに違いなく、そういう料理をもったお店はシアワセな店。

彼らの執着心は徹底的です。これほどシチューがグツグツしていることは真似したお店にほとんどなく、シチューもたっぷり。ハンバーグはオーブンで焼いて一番おいしくなるようメッシュ細かく、おそらく普通にハンバーグとして食べてもそれほど美味しいわけではないんだろうなぁと思う。煮込んでおいしいハンバーグ。
ビーフシチューの牛肉はよく煮込まれてフォークで押さえると繊維がほぐれる。ご飯の上にのせると即席ハヤシライス。サイドにベイクドポテトが乗せられていて、それを潰してシチューと混ぜる。なめらかでシチューを残らず味わえる工夫の食べ方。満たされました、オキニイリ。

 

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