さよなら…。ねぎしのはじまった場所

 

昨日、ブログに「歌舞伎町にある牛たんねぎしの一号店がまもなく閉店されるようです」ってコメントもらった。
二年後に開業するのが決まっている超高層ビルの裏側の店。
今は歌舞伎町の外れ感があるこの場所も、そうなったら一等地になるに違いないのにもったいないなぁ…、と思うもおそらくいろんな事情があるのでしょう。
チェーンストアがはじまった場所ってどこか特別な魅力があって、ここも商売がはじまった当時の情熱だとか謙虚さを感じられるのが好きでたまに来ていた。
写真を2枚並べます。
同じ場所だけど左隣の韓国系の中国料理のお店がなくなりお洒落レストランに変わっただけで随分イメージが違って見える。しかも昔は明るかったこの場所が南側に建ってるビルのせいで随分暗くてしんみりしちゃう。

どちらの写真にも自転車が写っているからお店の人のものなのかなぁ…。こういうところがどこか生業店っぽくてボクは好き。
かつては8人、今は5人座れば一杯の小さなカウンターとテーブル席が4つだけ。牛たんの専門店というのがすぐに伝わる。個人経営の店なら効率がいいけれど、会社でやるとなると利益を出すのがむつかしい規模。それも閉店の理由のひとつなのかもしれない…。
牛たん定食を選んでたのむ。
かつて牛たん定食といえば枚数を選ぶくらいしか選択肢がなかったけれど、今ではタンのグレードで何種類も用意されてて価格も多彩。昔はなかったひときわ分厚くやわらかい「白たん」を選んでたのむ。

炭場の前で焼き上げる調理スタッフは昔からいる人。
見るたびちょっと背中が丸まり、顔にも歳を重ねた証がちらほら。
隣でスープの面倒みたり盛り付けしたりしているスタッフも立派にシニア。
カウンターの中の仕事が手元まで見通せてしまえるこういう店をしっかり面倒みれる技術と経験があってこその営業で、それもまもなく閉店の理由なのかもしれないなんて思いもしました。
分厚い牛たん。
表面こんがり焦げて仕上がり、深く入れた切り込みがめくれるように仕上がっている。炭の香りにツヤツヤ脂が輝く姿にお腹がグーッとなるおゴチソウ。一味唐辛子をドサッとお皿の端に出したっぷり漬けてパクっとひと口。ザクッと歯切れて口に広がる肉汁が甘く感じてニッコリとなる。

他の店ではほんのちょっとだけあらかじめ器に入れられやってくる「南蛮味噌」がこの店だけは取り放題。一味に胡椒、醤油に塩の容器と一緒に壺に入って用意されてて取り放題。結構原価のかかる料理でこの鷹揚もあとまもなく。
牛たんの分厚さもさることながら、テールスープの中に沈んだテールの肉も大ぶりで口の中でホロリと崩れる。出汁でわった山芋とろろに麦飯、そして牛たんのサイドの漬物とどれをとっても上等で、そういえばこの店の夜に飲む酒はおいしかった…、ってしみじみ思う。
飲食店と外食企業が営業する店。どちらがいいとか悪いとかじゃなく、その両方のバランスで外食世界はできていたのに、最近それが壊れ始めているように思ったりもする。なやましい。

 

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コメント

  1. ナリヒト

    こんばんは榊さん。牛タン専門店が閉店すると言うのは残念ですね。ただ歌舞伎町と言う土地柄経営を続けるのが大変だと思います。歌舞伎町で牛タン定食が2500円位!この夏に行った仙台の牛タン定食の昼のスタンダードは値段が大体1000円前後から1500円位までです。牛タン定食にいつもついているオックステールのスープ、キャベツの漬物、麦ご飯、とろろ。いつからこんな風に日本全国に定番の形になったのか、不思議ですがどこで食べても安心してオーダー出来る失敗しない定食だといつも思います。値段設定は東京ではきっと肝になるでしょうね。榊さんもだいぶ食のリズムが戻ってきているみたいですね。文章のリズムも快調!明日の僕のお昼は大好きな牛タンカレー食べに行きます。

  2. サカキシンイチロウ

    ナリヒトさん
    仙台式の牛タンというスタイルなんでしょうね。そして確かにこの組み合わせが一番しっくりくるように思えます。
    例えばハンバーガーが世界各国判で押したようになバンズと野菜と肉のパティを重ねて作るように、おそらく牛タン定食というのは料理同士の組み合わせでなく、完結した一つの料理なんだと思えば腑に落ちるような気がします。
    原価を考えれば申し訳なくなるような価格。消費者にも責任があるんだろうなぁ…、と思うと悩ましくなっちゃいます。

  3. ak

    西新宿のほうがはじめだと思い込んでましたが、こちらが1号店なんですね。閉店残念です。行く時間とれるかなー。。この界隈は台南坦仔麵ともども、ちょっと独特な感じがあってよかったのですが、ハイジアができてしまってから界隈の雰囲気が変わってしまったような気がしますねー。しょうがないのですが。。

    • サカキシンイチロウ

      akさん
      中国料理の北京、ねぎしがあって台湾坦仔麺と確かにちょっと猥雑でどこかドキドキするような雰囲気がありましたよね。交番がこんなに近いのにちょっと危険なムードがあって、そういう場所で食事が平気でできるボクって大人じゃん…、って悦に入っていたものでした。
      ねぎしの一号店には諸説あるのです。
      西新宿の二階にあったお店が会社としては一号店で、ここは象徴的な一号店っていう説もあって、ただこの店は未だにずっと昔の風情を保っているという意味でなくなってしまうことに大きな意味があるような気がします。

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