さくら、咲いたか、鍋焼きのそば

今日から4月。
花見の時期に合わせて母が上京していたはずの今日。
母の都合が悪くなり、旅行自体は延期となった。
せっかくだから、母の代わりに花見をしましょう…と、新宿御苑にやってくる。

小雨の土曜日。
3月はじめの長期予報では3月後半で満開になるってコトだったのに、半分ほども咲いてなかった。
しかも今日は冷たい雨で、ビニールシートを敷き車座になって花見を決行している人もいたけど、さすがに人出は少なかった。インバウンドの人たちが写真を撮って歩く姿が目立つ今日。

とはいえ、傘をさしてながめるさくらもうつくしい。
写真を撮って、「おかぁさんが来ないから、さくらがご機嫌斜めでほとんど咲いてない」って母にLINEでメッセージする。今年の春は人見知り。

雨のさくらをみて、ランチ。新宿御苑の近くにある「志な乃」という名の蕎麦屋を訪ねる。
いつもこの時期、忙しくなる店なのだけどさすがに今日は静かで拍子抜けのよう。御苑も人出が少ないみたいですからネ…、って言ってしんみり。
民芸風の落ち着く造りで、お店の奥に厨房がある。厨房の中でご主人がニコニコしながら料理を作る様子が見える。厨房脇には囲炉裏があって、そこに鉄鍋。チュンチュンいつもお湯が湧いてる。鉄鍋で沸かしたお湯で入れてくれるお茶がおいしく、蕎麦ってこういう雰囲気の店で食べると一層おいしく感じるなぁ…、って思って料理を待つのもたのしい。

花見で冷えた体を温めましょうと、まずはけんちん蕎麦。
軽い味噌味。
具材がたっぷり。
大根、ニンジン、青菜に豆腐。ゴボウにこんにゃくと種類も多彩。
下にあるはずの蕎麦がすっかり隠れてしまうほどにたっぷり、のっかっている。
ごま油の香りがフワリとただよって、食欲誘う。

麺は太めの田舎風。にもかかわらず味がしっかり麺にのっかり口の中へとやってくる。
どっしりとした旨味の強い汁なんですネ。昆布と鰹節の濃厚だけどなめらかな出汁。
それが野菜に染み込んで、大根なんてクチャっと潰れて出汁の旨味を口に広げて消えていく。
豆腐も出汁をたっぷり吸い込み、この上もなくなめらかで「けんちん蕎麦」というよりも「けんちん汁に蕎麦が紛れ込んでいる」ような雰囲気がある。蕎麦もネットリ、時間が立つとやわらかになりけんちん汁の具材の様相ますます強くなっていく。

鍋焼きそばをたのんで食べる。
実はココで有名なのは、蕎麦とうどんの合盛りでその豪快な大盛り具合。漬けても漬けても薄まることのない不思議なタレとあいまって、お腹がたのしく満たされるのがいいのだけれど、さすがにこんな花冷えの日には冷たい麺には食指が動かぬ。
それで鍋焼き。

取っ手の付いた鉄鍋で、グツグツしながらやってくる。
大きなエビの天ぷらの衣の周りがシュワシュワ、小さな泡が立ってる。揚げたばかりの天ぷらが、汁とふれあい油が沸騰している証。
湯気に混じっておいしい香りがやってくる。
その沸騰が落ち着くと、鍋の中は静かになります。静かになって鍋の底まで見通せるようになるのです。

汁が透明。透き通っていて、麺や具材のひとつひとつが見て取れる。それほどキレイな出汁なのに、味わい濃厚。香りの強いニンジンや三つ葉、鶏肉、椎茸、かまぼこと味や香りの強い素材を沢山入れて、グツグツ煮込んで、それでも揺るぎない出汁のおいしさ。
ココでこの料理に出会うまで、鍋焼きといえば「うどん」が当然。だってグツグツ煮込んで食べる料理だから、蕎麦を煮込んだら麺が台無しになるだろうと思っていたけど、今ではココの鍋焼き「蕎麦」の虜になってる。蕎麦が汁を吸い込んで、ネットリとろける。むっちりとした蕎麦の風味や食感が力強さを増して汁と一体化するのがなんともゴチソウ。

煮込んだうどんはあくまで「汁とやわらかなうどん」なのだけど、煮込んだ蕎麦は「汁とひとつになった麺」。なめらか、やわらか。そしてユックリとろけてく。
玉子が一個、入ってる。特別たのまなくても、ボクのときには途中で玉子を落として入れて、だから白身はキッチリ固まり、黄身は芯だけ半熟状態。ボクの好きな煮玉子の状態になってくるのがウレシイ。
加水をしてない立派なエビで、むっちりとした食感たしかでたくましく、甘みも豊か。尻尾がキレイでカリッとかじるとパリパリ壊れる。香ばしくってよき〆になる。オキニイリ。

 

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