こんな店が近所にあるといいのにな…。

20代、30代と、住んでた家の近くに必ず気軽でうまいとんかつ屋さんが近所にあって、重宝してた。
40の後半頃からとんかつという料理を日常的に食べる習慣をなくして今や、近所にあってほしいのは料理のうまい蕎麦屋だったりするのネ…、大人になったということでありましょう。
ただ、その蕎麦屋で何を食べたくなるかというと、揚げたてのヒレカツだったりエビフライだったりするという、ならばとんかつ屋でもいいじゃないか…、というこの不思議。
多分、ボクはこういう店を今、猛烈に欲しているに違いない…、と、青山にあるまい泉本店にくるたび思う。
豚の銘柄にこだわったり肉の状態や揚げ方を必死に工夫し、究極においしいとんかつを作る努力はほとんどしない。商品力を上げることに命がけの店は暑苦しくて、60間際のおじさんには少々面倒くさくなってしまう。

ここは一方、とんかつのたのしい食べ方の提案に一生懸命になっていて、宴会も出来、接待にもよくしかも一人でしんみりするのもありといういろんな使い勝手があるのがまずありがたい。
しかもここにはそばやうどん、寿司が用意されてもいてとんかつじゃない気持ちの時にも利用できるのがまた便利。
かけやもりなど、とんかつ定食の汁がわりになるメニュー以外に、そばを主食にたのしめるとんかつの店らしい料理がひとつ。
黒豚つけそばという料理で、それがメインの定食たのむ。
つめたいせいろに熱いつけだれ。もみじおろしに細く刻んだ九条ネギ。
柚子胡椒が下にかくれて、茹でた玉子が半個分。
この茹で玉子がついてくるというのが、なんだかしみじみうれしくて、得した感じにしてくれる。

つけだれには青唐辛子の辛味が事前にはいってて、ピリリと辛い。中には黒豚のバラの薄切りがたっぷり入って、焼いたネギに煮た玉ねぎ。豚の脂がキラキラ浮かんで、たれの辛味が脂の旨味をひきたて食欲わかせてくれる。
そばは細め。バッサリ歯切れる軽快な食感たのしくスルンスルンとお腹の中に飛び込んでくる。

このつけそばに揚げ物がついてひと揃え。千切りキャベツがサイドを飾る。ちなみに千切りキャベツはおかわり自由。ありがたい。
さてこの揚げ物。メンチカツ。分厚くふっくら、割ると中からキラキラきれいな肉汁がほとばしり出てくる贅沢さ。考えてみればここのとんかつは、肉の繊維を徹底的に切って肉をズタズタにしたのを揚げる。つまり肉をひき肉寸前にした揚げ物で、ひき肉を肉の形にして揚げるメンチカツに限りなく近い食べ物。だからメインがメンチカツ…、というのも決して不思議ではない。
そうすることでやわらかでジューシーでしかも手頃な値段のカツができるわけだから、必然といえば必然かなぁ…、とも思ったりする。

弁当の売店が全国にあってそれで有名。ふっくらのカツに甘くてぽってりした野菜ソースをかけて食べるのがここの流儀ではあるけれど、本店に来ると辛口ソースがある。スパイシーなウスターソースでメンチカツにも千切りキャベツにもこれがぴったり。たっぷりかけた。
食事のはじめに大根おろしがやってくる。今日はランチ商品じゃない料理をたのんだから、時間がかかるに違いないと、カニときゅうりのサラダをとった。この店自慢の贅沢サラダで、拍子木状に薄切りにしたきゅうりを塩でしんなりさせて、ズワイのほぐし身とマヨネーズでしっかりあえる。上にカニの足肉あしらい出来上がり。
パリパリサクサク歯切れるきゅうりの食感にカニの旨味や風味が混じる、あぁ、ビールだなぁ…、ってしみじみしちゃってお腹もすかす。
ご飯を伴わぬ定食でした。それで赤身のにぎりととろたく巻きを追加して目の前いっぱい、お腹もいっぱい、満たされた。

 

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