ことぶき食堂、岡山の朝

岡山で朝。「晴れの国」の面目躍如たる青空の朝にて、ホテルで食事をするのをやめて街に出る。
駅前広場の噴水を右手に眺めて、商店街を目指して歩く。
明日からゴールデンウィークということもあり、駅周辺はいつもと違ったざわつく感じ。
ところが、商店街のアーケードに入るとしんみり。見事な萎れっぷりにすがすがしささえ覚えてしまう。
駅の反対側に大きなモールができたということもあるのでしょう。とはいえそのモールもあまり具合よくなく、つまり地方都市において駅前というのはこういう場所になる運命…、なのかもしれない。ちょっとしんみり。
そんな萎れた商店街に「ことぶき食堂」なる大衆食堂があって、毎日早起き営業。朝ご飯をとやってくる。お店の前には蝋細工の入った商品サンプルショーケース。昭和であります。ドア、開ける。

予想を裏切ることなく中も昭和風情。お店の一番奥に厨房。その前の椅子におばちゃんが座って新聞読んでらっしゃる。
いらっしゃい!と、立ち上がるおばちゃんに「焼き飯作ってくださいな」と。入り口脇のテーブルにつく。
通路を挟んで反対側には料理が並ぶケースがあります。
小さめの皿にキレイに盛り付けられた色とりどりの料理がまるで、ミニチュアみたいにみえ、愛らしい。煮魚、焼いた魚に季節の野菜の料理あれこれ。どれも魅惑的にて思わず手が出る。朝の食卓がニギヤカになるオキニイリ。

テーブルの上をいっぱいにしてしまいたくなる衝動を、ふりきり選んだ惣菜3つ。
ワラビの煮付けにエビフライ。
アサリの煮物とどれも家庭的なる料理がウレシイ。
ワラビの煮付けの甘いコト。自分で作るとこんな風に砂糖を一杯使えない。おばぁちゃんの料理のようで体ほぐれる。笑顔になります。
小さなエビを背開きにしてパン粉をつけたエビフライ。
手間はかかるけど大きなエビを無理して買うより、こっちの方がずっとおいしく経済的。
母が作るエビフライもこんな姿でありました。

アサリをひとつひとつむき身にし、ふっくら炊いた煮付けのおいしいことには脱帽。これまた手間がかかる料理で、こういうゴチソウが朝からこうしてたのしめる。アリガタイなぁ…、と思ってパクリ。

厨房の中ではご飯が焼ける音。
ジャジャッジャジャッと湿った音が小気味よく、一定のリズムでずっと響いてくる。
途中音が休まって、ジャーッて何かが沸騰する音。
そして再びジャジャッジャジャッと音が続いてやってきたのがこの一品。

炒飯ではなく焼き飯です。
細かく刻んだ玉ねぎ、ニンジン、ピーマン、鶏肉。玉子がチリチリ、細かくなって混ざってて、上に白ごま。色はかなりの色黒さんで、醤油の香りがフワリ、漂う。
冷蔵庫の中のありあわせを使って作る夜中の焼き飯…、みたいな感じ。
脂が甘くて基本の味は化学調味料と醤油と塩。
特別な味付けなんてしていないの、なぜだかおいしくスプーンがとまらぬオゴチソウ。
理由は舌がお手玉しそうな程に熱々であるということと、よく焼ききれたご飯がパラパラ。口の中を騒々しくしてくれるとこ。
サイドに添えた福神漬けがいい味出してて、焼き飯に混ぜて食べるとシャキシャキとした食感に軽い酸味と甘みをくれる。
スプーンがキチッとペーパーナプキンを巻きつけやってくるのも、食堂っぽくいいなと思う。

おばちゃん一人が作って配膳する時間帯です。だから料理がひとつ、そしてまたひとつ。時間差をもちやってくる。焼き飯がまずやってきて食べてる間に汁が完成。だからこれまた熱々でした。しっかりとした味噌の味わい。実は大根とワカメと豆腐。どれもたっぷり、実だくさん。中でも大根がおいしく知るにも風味がついて、汁で十分ご飯をおいしく食べられそうな贅沢さ。
焼き飯をほぼ食べ終える直前に、そうだと炊いたアサリを上にのっけてアサリ焼き飯にして食べた。シットリとしたアサリがご飯のパラパラ感を引き立てて、こりゃ、ゴチソウだ…、とお腹喜び見事に感触。今日の仕事の元気をもらう。いざ、出発。

 

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