けんちん汁がおいしいそば屋、御苑の志な乃

新宿御苑のそば屋の「志な乃」。
交通量の多い大きな道に面していながら、ぼんやりしてると通過してしまいそうな地味な外観。
パッとしないビルの一階で、そっけないほど普通のそば屋の風情がいとしい。
ちなみに隣のビルにドローンカメラのDJIがショールーム兼オフィスを構える。かと思うと反対側にはケルヒャーの事務所がポツンとあったりもする。こんなとこに?ってエリアです。
新宿という大消費地の近くにあって静かでのんびりした界隈。
しかも東京の都心であればどこに行くにも便利な場所で、住んでて本当に便利だもんなぁ…、ヨドバシカメラの本社が近所にあるというのも彼らにとっては便利なのでしょう。社食を持てぬ中小企業が集まる街は飲食店が潤う街。この界隈はそういう場所になりつつあってワクワクします。

ここは老舗で、のんびりとした店のムードがのんびりとしたこの街にピタッとハマるオキニイリ。
そばとうどんの合盛りたのみ、けんちん汁を追加する。
このけんちん汁がしみじみ旨い。しっかりとした出汁に醤油、そして味噌。そこでコトコト煮込まれた大根、にんじん、ゴボウにこんにゃく、豆腐に青菜。豆腐なんて汁を吸い込み膨れ上がって角がとれ、口に含むとプルンと揺れる。飴色になった大根は噛むとクチュっと潰れて汁を吐き出すおいしさ。
風味付けのごま油に滋養を感じ、野菜をたっぷり食べているって実感の湧くありがたさ。合盛り用の薬味にタレがやってくる。

これがどちらもたっぷりなんです。
薬味はネギにわさびに生姜。
蕎麦はわさびだけどうどんは生姜という配慮です。
胡麻に刻んだ大葉に海苔と、薬味皿から溢れ出しそうなサービス精神旺盛具合。
タレは大きな徳利になみなみたっぷり。
首をつまんでほんの少々傾けるだけでトクトク音をたてて猪口に流れ出す。
淡い色です。薄味かしらと思って舐めるとびっくりするほど力強くてほんのひと舐めで舌の上に辛味や旨味、甘味、風味がひろがってしばらくずっと味の変化をたのしめるほど。ネットリとしたとろける感じもしたたかあって、昆布をたっぷり使って仕上げているのでしょう…、ゆるゆるとした甘みがずっと舌に残ってウットリします。

そして麺。蕎麦は太めで、うどんは細打ち。蕎麦に比べてほんのちょっとだけ太さを感じる仕上がりでどちらもつやつや、みずみずしい。
そしてどちらも鍛え上げられコシがある。どっぷりつゆに浸してそこに薬味を乗せて猪口に唇つけてつゆと一緒に吸い込む。蕎麦はザラッとそば粉の食感。うどんはツルンとなめらかで、ところが噛むとどちらもガツンと奥歯に当たる。噛めば噛むほど風味が広がり、噛み続けてもタレの風味がなくならないのに感心します。
強めの味のけんちん汁に蕎麦を浸してしばらくおいて、麺に若干熱が入ったところで食べると、ねっちりとした食感なめらか。肉感的でこれもゴチソウ。
そばもうどんも気取った店の一人前ほど。全部食べるとお腹も満ちる。蕎麦湯をタレに注いだところにネギをくわえてふうふうゴクリ。ここのタレは薄めて飲んでも力強くて独特で、いつもながらに感心します。さて家へ。

 

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コメント

  1. いにしえ

    サカキさま
    志な乃のけんちん美味しいですよね。私も合盛り(但しさすがにお年頃の最近は小盛)と一緒にいただきます。このけんちん食べたら、風邪の引きはじめなんて治ってしまいそう。
    そしてつゆも本当に独特ですよね。色の薄さとキッパリとした味のギャップに最初は驚きました。夏はこのつゆに冷麦もピッタリです。
    そろそろ鍋焼きそばもよろしい季節ですね。行きたくなってきました!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      きっぱりとした味…、そのとおりですよね。冷や麦の細いくせしてゴリゴリとした歯ごたえのある麺線に負けない味わい。いつも関心させられます。
      鍋焼きそばの季節が来ますねぇ。次回は必ず。鉄鍋をまたぐほどに大きな海老の天ぷらが恋しくなりました。

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