かけにゲソ天ハサミ付き。コーヒー店の思い出の看板

うどんを食べに神田の「一福」。
香川県の高松に根っこはある。暖簾分けのような形で東京の神田にお店ができたのが8年前。
しばらくじっくりこの本店を守っていたけど最近、フランチャイズもはじめたりして今ではなんと12軒。
名古屋なんかにもお店ができた。
うどん屋さんにしてはいつも店舗スタッフが多くてそれも新店用の研修スタッフもいるからかなぁ…、って思ったりする。マネージャー然とした人がニコニコしながら指示を出しつつやさしく指導している様子がほほえましい。
にぎやかなことはすばらしきコト。お客さまもにぎにぎしい。
行列ができるようなことはなく、でも次から次へとお客さまがやってくる。だから厨房はよい状態。
券売機で食券を買いお店の人に手渡してテーブルで待つと5分足らずで料理が運ばれてくる。できたて、そして作りたて。

今日は熱いかけうどん。
「小」を選んでゲソ天添える。
ゲソ天は足が4本、付け根の部分で繋がった塊のまま揚げられていて、ハサミが一緒についてくる。

色白の透きとおった汁。
麺は飴色。
うどんの上にはネギがたっぷり。
角のやさしく丸まった穏やかな顔のうどんが食欲誘う。
まずは汁をずずっと啜り、いつも通りの旨み、風味にニッコリしながら挟みでジョキジョキ、ゲソ天を切ってうどんにのせる。
そのまま食べてもいいんだろうけど、ゲソのゴリゴリ感が小さく切った方が不思議と強く感じるのです。
前歯じゃなくて奥歯に直接あたって潰れる感じが痛快で、しばらくすると衣が汁を吸い込んで徐々に膨れてぽってりしてくる。

まるで歯応えのある天かすみたいにふるまう感じがおもしろく、しかも汁にも旨みや風味が滲んで溶け込む。
生姜をたっぷり、一味をパラリ。
食べてるうちに汁が徐々に白濁してくる。
うどんがまとった小麦がほどけて汁を汚しておいしくなってく。いい風情。歯応えよりも喉を撫でつつお腹の中に雪崩れ込んでく喉越しがおいしいうどんは艶っぽい。出汁がなによりおいしくて、旨みふくよか、最後に酸味を残して消えるさっぱりとした味わいで、ゴクゴク飲める。あっという間に器は空っぽ。オキニイリ。

 

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斎藤コーヒー店で〆にしました。
タナカくんと神田の町を歩いていたら、あっ、かわいいってタナカくんが指で宙をさしたんですね。
その先にあったのが木彫りの看板。
髭をはやした王様っぽいおじさんがコーヒーカップを手にニッコリ微笑んでいた。
たしかにかわいい。
せっかくだからここでお茶をしていこうか…、って入ったお店。
創業1948年。75年の歴史のある店。看板には「Fresh Roasted COFFEE SAITO」と書かれてて、どこかしらハイカラなムードがただよう。
本店が近所にあって、そこは古色蒼然とした焙煎場。ここはセルフサービスの喫茶店。入り口近くはドトールコーヒーみたいだけれど、奥のフロアは煉瓦の壁にアンティークな家具、シャンデリア。気持ち落ち着く喫茶店。

コーヒーゼリーを選びます。
クープグラスに流してかためたどこと言って飾り気のないコーヒーゼリー。でもこれがしみじみおいしい。
甘みはやさしく苦味がくっきりしているのネ…、スプーンを入れるとプチュンと音を立てて千切れる感じもおいしい。
舌に乗せるとプルンと揺れてあっけないほどスルンと喉へとすべり込む。あっという間になくなっちゃうけど、コーヒーの苦味や渋み、酸味に香りがずっと口の中に残っているんです。
どっしりとして濃厚なエバミルクをかければカフェオレ味になっていき、食べるコーヒーって感じがたのしいオゴチソウ。
そう言えばこの椅子が好きだったなぁ…、革張りの椅子。適度に硬くて体をしっかりあずけられるから疲れない。使い込まれたシワの模様もなつかしい。

 

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