かけそばを天ぷらそばを経由して花巻そばとして〆る

そばを食べたい。大人のそばを…。
それで新宿「大庵」にくる。新宿の街を間近に感じる気持ちよいカウンターに座って上等な蕎麦をゆっくり時間をかけて食べよう。
そう思って開店同時を狙ってきた。
店の入ったビルの入り口に姉妹店の「くらわんか」の白いちょうちんがぶら下がり風に揺れつつ夏の太陽の光を返す。まぶしいほどに明るくて、夏なんだなぁ…、ってしみじみ思う。
カウンターの端っこの席。あとから続々お客様がきて店の中はほどよくにぎやか。
今日みたいに外が明るい日でも、お店の中はほどよく暗くまるで大きな木の陰でくつろいでいるように感じる。オキニイリ。昼のお通しがついてくるのがこの店ならでは。今日は揚げた蕎麦がたっぷり。七味をかけてポリポリ食べて料理を待った。

まずは海苔。広島の三國屋さんの焼海苔です。瀬戸内の海の滋養が閉じ込められた風味豊かな上等な海苔。それをたっぷり20枚ほど。炭箱に入ってやってくるのがうれしい。
最初は炭の香りがします。あぁ、あったかいと蓋を開けると海苔の香りが襲いかかるように湧き上がる。炭のおかげでパリッとしていて、それが口の中でゆっくりとろけて海苔独特の風味と旨味がひろがっていく。これそのものが素材であって調味料。うっとりします。
キリッと辛口の冷酒だなぁ…、って思うもほんのおちょこいっぱい分が相当。けれどここでは酒のグラス売りをやってない。相棒がいれば分け合って一緒に気分良くなれたのに。ひとりはやっぱりさみしいや。

天ぷらの盛り合わせが到着します。
エビにキス。
オクラにかぼちゃでひと揃え。
もみじおろしが、夏の食欲をかきたてる。
かぼちゃやさつまいもの天ぷらは好きじゃないけど、親父が好きな天ぷらで、こんな甘いものをおかずにするのって信じられない…、ってよく言っていた。
歳をとるとなぜだかおいしく感じます。
ふっくらとしたキスの天ぷらを食べ終える頃、おいかけかけそばがやってくる。
鰹節の酸味がかえしの甘みをキリッとひきしめるここのかけ出汁が好きで今日は熱いそば。ふうふうしながら蕎麦をたぐって、蕎麦の風味と出汁の旨味をまず堪能。

エビの天ぷら、オクラの天ぷらを乗せて天ぷら蕎麦にする。
パリッと揚がった衣の油がパッと表面に広がって、どっしりとしたコクが汁をおいしくさせる。汁を吸い込んでぽってりとなる衣もおいしい。何よりエビのたくましいこと。ニッコリします。
天ぷら食べ終え、海苔をちぎってたっぷりのせて花巻そば。天ぷら油の風味に海苔の風味が混じってとろけ、なんとおいしいおごちそう。汁をそば猪口に少々移し、そば湯を注いで出汁の風味を思う存分味わって〆。おいしかったよ…、満たされた。
なんだかね…、ボクらはひとりとひとりじゃなくてふたりだったんだなぁと思う。ふたりでひとりでもあったんだって思うとなかなか気持ちが晴れぬ。空はこんなに青いのに。

 

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