お正月

新しい年。
ちょっと早起きをして若水をとり手を清め、雑煮を作る。
丸餅を水に浸して休ませる。
出汁をとり、中に刻んだ餅を入れグツグツ炊くと餅はとろけて汁と混じってとろみをつける。
京都の白味噌。
九州の麦味噌…、どちらも甘くて白い味噌をあわせて汁にとく。
そのかたわらで昨日の夜に炊いて仕込んだ厚切り大根を火にかけ熱くあっためる。
白味噌仕立ての汁の中に、水を飲ませた丸餅を落としてクツクツ。餅があったかになったところで器に移す。
大きな椀に大根を置き、上に餅。とろけて大根が餅で覆われ白い山成すかたまりになる。上に結んだ三つ葉を飾り、汁を注いでかまぼこ散らす。出来上がり。
うちのお雑煮は昔から、ずっと白味噌。そして丸餅。大根じゃなくてえびいもを蒸したモノを置いて作った。芋がどうにも苦手なボクのアレンジバージョン。出汁をたっぷり吸い込んだ煮た大根にネットリからみつく餅が、口の中でとろける感じがオゴチソウ。
甘くて深いコクのある白味噌仕立ての汁もおいしい。お腹がポッと明るくなって明るい年のはじまりはじまり。

和久傳さんのおせちをあける。
桐の器の中に、吹き寄せ風にぎっしり詰め込まれた料理のさまざま。
田作り、黒豆、数の子、アワビ、クワイに酢蓮と、縁起かつぎの食材揃い、煮物になます、真丈などなどどれも上等な味付け。祝の酒がたのしくすすむ。
おせちの中の数の子だけでは気持ちがすまぬことがわかっていたから別に調達していた数の子カスカス。
金をカリカリ、借りるような一年にならぬよう。金をカスカス、貸せる身分におなりなさい…、と昔から母が大好きでタップリ毎年新春に用意していたことに倣ってボクもカスカス。お貸し出来る程の金はないけど、知恵はタップリ。今年は使ってガンバロウ。

初詣は家の近所で静かにします。
松平摂津守上屋敷がかつてあった荒木町という街。
すり鉢状の地形の底に「策の池(むちのいけ)」という池があり、そこにポツンと小さなお社。
「津の守弁財天」という名前で、かつてはこの界隈を代表する景勝地のひとつだったのでしょう。守る「策の池」という名前がそもそも徳川家康がこの池の辺りで休憩をとり、馬のムチを洗ったからと言われてるんだそうな。
今となってはその池も小さくなって、後に花街として栄えた界隈もマンションなどの建物が無粋に並ぶ、普通の街になっちゃった。それも時代でござんしょう。
弁財天といえば財産神です。今年一年の商売繁盛を願って祈る。

お社の後ろから伸びる小さな坂道が「荒木町奥の細道」。
その坂道をのぼりきったところに「金丸稲荷神社」があって、ここもお稲荷さんだから商売繁盛。
お稲荷さんの周りに小さな公園があり、近所にひしめく飲食店に溶け合い粋な景色を作ってくれる。
鳥居をくぐってお社みるとお狐さまにと油揚げが一枚。
なんだかニッコリ。
お賽銭をチャリンと落とし、今年一年のたのしい仕事の成果を祈って笑顔で帰る。地元の静かな初詣もいいものでした。お正月。

夜はすき焼き。お正月の夜はそれがずっと恒例。野菜をタップリ食べましょう…、と、ネギに春菊、茹でたたけのこ。ざく切りにして茹でた大根を入れて割り出し注いでクツクツ煮込む。豆腐に絹揚げ、しらたき、えのき。牛肉入れたらグツグツしながらハフハフ食べる。
最後の〆にすきうどんでも作って食べようと、手切りの手打ちうどんをかっておいたんだけど、鍋の中にほとんど汁が残っていなくて急遽変更。昨日の夜の寄せ鍋に使った豚肉と雑煮用のかまぼこ、それからネギをクツクツ出汁で煮込んで味噌溶かす。醤油で風味を整えて最後に胡麻とごま油。茹でて冷たい水でキリッと〆たうどんを浸して食べる。今年最初の一日の〆。そして寝る。

コメント

  1. りょー

    明けましておめでとうございます🎍
    三が日を過ぎて、御用始と出遅れましたが、こちらでもFBでも宜しくお願いいたします。
    サカキさんの美食と食に対する姿勢を今年も学ばせていただきます✨😌✨

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      りょーさん
      今年は新しい仕事をスタートしようかといろいろ考え中です。おいしいことをもっとたのしく…、オモシロイコトが提案できればなぁ…、と思っています。
      今年一年がよき年でありますように。一年、ゴキゲンにお付き合いくださいませ。

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