おむすびと蟹

移動の途中、小腹がすいておむすびを買う。
名古屋駅前のビル地下にある「にぎりたて」という店で「めはり」をたのむ。
注文してからにぎりたて。
ちょっと時間はかかるけれど、作る一部始終を眺めながら待つから安心。そしてたのしい。
手塩をつけるのじゃなく、ある程度、形を作ったところで塩を満遍なくふりかけていく。それを軽く握っていくのが独特。めはりはそれを高菜漬けでまいて仕上げる。
プラスティックのパッケージに大切におさめ、紙おしぼりまでバッグに入れて、それでたったの250円。申し訳なくなる値段。
電車にのって食べようとポリ袋から出すとまだほかほか。握ったときにはどれほど熱かったんだろうと思って、感謝しました。ありがたい。

野沢菜漬けが手にしっとり。ひんやり感じるけれどご飯は熱々。口の中でほどよい温度になっていく。ザクっと歯切れる高菜漬けの食感が軽快にしてさわやか。海苔とは違った存在感にニッコリします。
ご飯のにぎり具合はやさしくて、はらっと崩れてパラっと散らかる。
刻んだ野沢菜と鰹節を醤油であえたものが、おにぎりの芯に入っているんですね。
これがおいしい。
巻いた野沢菜はハリを感じる。刻んだ野沢菜は口を騒々しくしてくれる。同じものでも形が変わるとまるで違ったものに感じる。オモシロイ。

 

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岐阜・柳津の「かにの華」にて新年寿ぐ晩ご飯。蟹が主役のコースをもらう。
まずは前菜。アワビの酒蒸し、菜花のおひたし、牡蠣の味噌煮がやってくる。分厚いアワビは前歯いらずのやわらかさ。ちらしたトビコがプチプチはぜてそのやわらかさを引き立てる。
牡蠣を八丁味噌を使った土手味噌で煮込んだ料理は地域の味です。お酒がすすむオゴチソウ。
揚げ餅の雑煮がでてきた。白出汁で大根、人参、しいたけをコトコト煮込んだところに揚げた餅を沈めた熱々の汁。油の中で穴をそここにあけて仕上がった餅が出汁を吸い込みなめらか。

おしのぎにやってきたのが蟹の押し寿司。
蟹のほぐし身をたっぷりくわえた酢飯の上に、エビに数の子、イカ、穴子。
正月らしいめでたき一品。
お腹がニッコリ微笑むおいしさ。

今日のお造りは昆布締めにした真鯛に本マグロの赤身、熱々の出汁にくぐらせ表面チリっとさせたタラバの足の盛り合わせ。
ねっとりとした蟹の食感、甘みにうっとり。
それから蟹のせいろ蒸し。
ズワイの足だけをせいろで蒸した一品で、殻をあらかじめ剥いているからそのままパクリと食べられる。ポン酢をつけたり胡麻ダレつけたり。かにすきやかにちりと違って水に浸かってないから蟹本来の味がギュギュッと凝縮されて、しかもふっくら。この上もない贅沢さ。

キンメダイと白子の天ぷらが続きます。
今の季節ならではの白子の天ぷらはおいしい毒。これを食べるとお医者さまに叱られるかもと思うと一層おいしく感じる(笑)。カリッと衣が壊れて中からポッテリとした白子がでてくる。
脂がのってやわらかなキンメもバリッと衣の中で居心地良さげ。
飛騨牛のヒレとタラバの足にホタテの陶板焼き。バターと塩胡椒で焼き上げて、味わうシンプルな料理でだから素材それぞれの持ち味を心置きなく味わえる。〆は蟹蒸しご飯。ズワイのほぐし身をたっぷり乗せて、しかも上にウニといくらが飾られている。おいしいものにおいしいものを重ねるゴチソウ。冬とは美味な季節なんだとしみじみ思う。ありがたし。

 

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