おふくろ弁当、郷土料理のくらわんか

月曜ランチを「くらわんか」。
新宿で「好き」で一二を争う蕎麦屋の「大庵」の地下にある店。どちらにしようかやってきて、月曜のランチは大庵が休みというので気持ちが決まる。
夜はおいしい料理で日本酒が進む気軽な料理屋で、何度かやってきたことがあり、けれどランチは今日がはじめて。ワクワクしながら階段降りる。
店のキャッチフレーズが「ふるさとの味、おふくろの味」。
夜は定番料理に月ごとで変わる「郷土料理」がたのしめる。例えば今月は秋刀魚がおいしい季節ということで、宮城、東北の料理がテーマ。つまり「夜はふるさとの味で飲む」趣向。一方昼間はおばちゃんたちが店を切り盛り。

夜には調理人が腕をふるうカウンターの中におばちゃんがズラリ並んでニコニコしながら飯を盛ったり汁よそおったり。「昼はおふくろさんたちにもてなされる」店というコトなんでしょう。やさしくステキでニッコリします。
お店の真ん中に自由に取れる料理がいくつか。サラダに惣菜、豆腐が置かれてそれと一緒におかわりご飯。今日の惣菜はひじきの煮物。刻んだ油揚げと鳥ひき肉がたっぷり混ぜられ、甘辛味でおじさんよろこぶ健康的なるおふくろ惣菜。
それらをとってる間に注文した料理が席に届いている…、というのが粋で気がきいている。

メニューは全部で10種類ほど。気軽な定食が中心で今日の日替わりはチキンカツ。季節のメインは秋刀魚の塩焼き。刺身や揚げ物、焼き魚とか煮魚から2種類好きな料理を自由に組み合わせることができる定食もあったりして、ちょっと迷うもココの一番人気のお値打ち弁当を選んでたのむ。
出数限定。今日は20食分の用意がある。ちょうど座ったカウンター席の目の前に筒状のお弁当箱が並んでてみるとあと8個ほど。それをお盆に乗せてご飯や汁をよそおい並べて出来上がり。

二段重ねの弁当箱。
蓋をあけるとおかずがぎっしり。
カツオの刺身に鳥の西京漬焼き、鯖の塩焼き。
白身魚のフライにかまぼこ、出汁巻き玉子。
かぼちゃ、里芋、人参、インゲンと野菜の煮付けがズラリと並び甘辛煮付けのこんにゃく一個。
タクワン、キュウリの漬物と目にもニギヤカ。
おかずの入った器をどかすと、下には小鉢。
今日の惣菜のひじきの煮物。糸こんにゃくとししとう、たらこを炒り煮にしたもの。細切りにした昆布の煮物とどれもやさしいご飯のお供。

ありがたいのがご飯がなんと炊き込みご飯。
刻んだ野菜と舞茸を醤油風味に仕上げたご飯で出汁の旨味がしっかりきいてる。
それだけ食べても十分おいしい主役クラスの味わい深さ。
たっぷりついてくる熱々の味噌汁の中には天かすが浮かんで風味とコクをつけてる。それ以外の実は油揚げとわかめと三つ葉。お腹がたのしくあったまる。

おかわり自由の豆腐がおいしくビックリしました。豆の香りがしっかりとする木綿豆腐で醤油入らずの濃厚な味。しかもおろした生姜の香り強くてすがすがしいこと。ネギもタップリ。薬味までもがキチンとしていることに、いいお店…、ってしみじみ思う。
数量限定と言いながら、早く来た人がみんなお弁当を食べるのか…、というと決してそうでもなくて好きなものをたのんでいるのがオモシロイ。隣の人が食べてた秋刀魚のおいしげなこと…、焼けた秋刀魚の匂いでご飯がお替わりできる(笑)季節のゴチソウ。

いろんな料理がそれぞれ手作りであるということに感心します。
魚はこんがり、皮目もしっかり焼けていて野菜の煮物も全部まとめて煮るのでなくて野菜ごとに煮含め器に盛り込んでいる。
日本人は弁当が好き。いろんなものをちょっとづつ食べられれば満足するんだと、出来合いの料理を詰め込み形だけは弁当風にあしらう店が結構あるなか、ひとつひとつに手をかけ妥協をしない姿勢には頭が下がる。何からはじめて、どの順番で食べていこうかと悩みながらも食べ進め、結局最後は出汁巻き玉子とかまぼこ残す。この出汁巻きが中に刻んだネギと魚のそぼろがたっぷりはいっててふっくら食感やさしいことにうっとりします。ちなみにこれでたった980円。また来なくちゃって席を立つ。

 

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