おじさんの天国、ルノアール

ルノアール。来年4月から紙巻きたばこを排除して、全席禁煙になるんだという。
分煙対策に前向きで設備投資もかなりしたはずなのにそれも方向転換。あたかも「全席禁煙化しないようでは時代の波から取り残されるんじゃないか」って不安の象徴みたいになった。
たしかに分煙してもタバコの香りは執拗に隙間を狙ってやってくる。健康を害するものは他にもたくさんある中で、タバコの議論ばかりが目立って感じるのは、煙と匂いがわかりやすいから。
匂いに対する感度は時代において変わるもの。ボクが子供の頃なんて、大人の男はタバコの匂いがしたものだし、おじぃちゃんはおばぁちゃんは日向の匂いがしたものでした。今やタバコの匂いは不健康の象徴として憎しみをかりたてる匂いになったし、加齢臭は恥ずべき匂いになっちゃった。しょうがないかなと思うもするけど、行きすぎるのもどうかなぁ…、って思ったりする。なやましい。

アイスオレにCセット。
ハムサンドと茹で卵、スープがついたワンプレートの朝食セット。
選べるセットは昔からずっと4種類。
1つは厚切りトーストで、残り3つがサンドイッチがメインのセットいうのが喫茶店的。昔はトーストでハムと卵を挟んだサンドイッチのセットがあった。
けれどそれも今はなく、このハムサンドのセットがボクにとっては今の一択。
小さな気泡がたっぷり混じった色気のないパン。とろけるでなく、むっちり感があるでなく。今の流行りに背を向けた普通のパンがボクは好き。たっぷり施したマヨネーズとスライスきゅうりのみずみずしさをパンがしっかり受け止めて、口の中でほどよく感じるところがうれしい。

昔からある商品なんだけど、サンドイッチの切り方がちょっと変わった。昔は長方形のパンの一部をまず切り正方形にしたのちに、正方形部分を斜めに切り分ける。
つまり長方形のサンドイッチがひと切れに、直角三角形のサンドイッチがふた切れでひと揃えだったんですね。その姿が昔ながらのサンドイッチを思い出させて好きだった。ところが今は長方形が3切れになる。おそらくパンの形そのものが正方形寄りになっちゃったんでしょう…、かつての切り方ができなくなった。多分、コストダウンのひとつの形。しょうがないなぁとしんみりしちゃう。

卵の殻でコンコン、テーブルの上をノックして殻にヒビ入れそっと剥く。最初の数かけは小さく壊れ、手がかりできるとそこから先はスルンと大きく剥けていく。何事も最初が肝心。焦るとことを仕損じる。
黄身の芯までしっかり熱が入っていながら、入りすぎてはいないほどよい状態で、塩をパラリとふりかけパクリ。お腹も満ちる。

それにしても今日の西新宿のお店の状態はとても良かった。スタッフ同士の連携もよく、笑顔明るくサービスの区切りに必ずなにかひと言添えようとする。ごゆっくり…であるとか、くれぐれも忘れ物をされませんようとか、思いやりに満ちた言葉に思わず笑顔を誘われる。ルノアールのような店がこれから生き残る、最大のポイントは全面禁煙にすることでなく人と人とのふれあいを丁寧にするということなんじゃなかろうか…、と思ったりした。お勉強。味が変わったビーフコンソメだけは残してしまう。しょうがない。

 

関連ランキング:喫茶店 | 新宿駅新宿西口駅都庁前駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。