ハンバーグもハンバーガーも好き…、なんだけど

四谷三丁目を歩いていたらオキニイリの焼肉店が入店しているビルの2階がいつの間にかお店になってた。
「バーガー・ハンバーガー・どっちも大好き」ってキャッチフレーズの下に店名。「バーグホリック」ってかわいらしいロゴ。螺旋階段をあがっていくと四谷三丁目らしからぬ、オシャレな空間。かなり大きくカフェのようでも、レストランのようでもいいような居心地のよいお店になってる。
メニューをみるとなるほど…、ハンバーガーとハンバーグがそれぞれ20種類ほど。どちらもソースやトッピングは同じでつまり、同じパテをパンで挟めばハンバーガー、そのまま食べればハンバーグというシステム。今まであったようでなかった提案。オモシロイなぁ…、と思って早速試してみます。

ハンバーガーとハンバーグをそれぞれひとつ。
ハンバーグはスープセットと一緒にたのんだ。
クラムチャウダーとご飯がセットになっていて、まずクラムチャウダーがやってくる。
大きなマグにタップリと。
サラサラタイプではあるけれど、中にじゃがいもがゴロゴロはいってそのじゃがいものおいしいコト。甘くてホクホク。
なるほどこれがフレンチフライになるんだなぁ…、と思うとヨダレが湧いてくる。
クラムチャウダーというよりもポテトスープと呼んだほうが居心地よさげなチャウダーで、でもそれもまたよし。

それにしてもデザインがしっかりしていること。お店のロゴもそう。そのロゴを使ったプラスティックのカップにおしぼり。メニューブックもそうだし、インテリアも造り込まれて、これがこの店だけのために行われてる…、って思うとちょっとビックリします。

さて商品。
ハンバーガーはベーコンエッグチーズをたのむ。
提供方法が独特で、円形の凹みが掘られた丸い木皿に、ステンレスの皿。
上にどっしりハンバーガー。
周りにフレンチフライとオニオンリング、レッドポテトのチップを散らすように盛り付ける。
陶器の皿のようなよそよそしさがない。
紙の包みほど合理的過ぎもせず、アウトドア感がほんの少々ただよう、ほどよくカジュアルな提供方法。悪くないなぁ…、と感心します。
ハンバーグステーキも同じ木の皿に丸い鉄板を乗せて提供。よく焼けた鉄板がジュウジュウ音を立てて、おいしい香りと一緒にやってきて、その傍らにもハンバーガーと同じフレンチフライとオニオンリング、レッドポテトのチップがちらかる。ハンバーグステーキのトッピングはサルサソースとチーズ。

ハンバーガーはすばらしいです。若干もっちりしたバンズは両面こんがり焼かれて、表面パリパリ。噛むとクシュッと前歯で縮んでスパッと歯切れる。一瞬、牛肉の脂の匂いが鼻をくすぐる。アンガスビーフに和牛の脂を混ぜて仕上げたという、噛みごたえのあるパテがガツン!と奥歯を叩く。
玉子はよく焼け、白身の縁がバリッと砕ける。自家製というベーコンの脂がジュワリと口に広がり焦げた香りがたまらなく、よい。
バンズ、パテとも歯ごたえがよく肉を食べてる…、って感じがしてくる。トマトの酸味、生の玉ねぎの辛味が味のよきアクセント。フレンチフライがまたいいのです。サクサク揚がって甘くてしかも芋の風味がしっかりしてる。なにより感心したのが食べ終わり近くになっても、ハンバーガーをくるんだ紙がキレイなままであるということ。脂がほんの少々滲み出しているだけで、肉汁だったり調味料だったりが紙を汚していないというコト。

それだけパテが頑丈で、旨みや肉汁がもれなく口の中にやってきたということ。これならテイクアウトしてもおいしくたのしむコトができるに違いない。

一方、ハンバーグステーキは…、むつかしい。
バンズやトッピングと一緒に食べておいしいように出来上がっているパテです。ナイフで切ろうとするとボロボロになる。まとめてくれるものが何もないからスプーンですくって食べることになる。
ワカモレをトッピングしてたのんだのだけど、口の中に入ってくれればソースのようにふるまうのだけど、肉だけ食べると味が少々ひ弱でちょっとうろたえる。ご飯はステンレスのカップに入ってやってきます。そのまま食べてもいいのだろうけど、ハンバーグの鉄板にポンとのっけて、フレンチフライ用のケチャップをブチュッと搾る。混ぜてケチャップライス風にして崩したハンバーグと一緒に食べる。それでやっと味が整う感じ。
おいしいハンバーガーのパテをおいしいハンバーグとして食べるためにはソースの工夫が必要なんだろうなぁ…、って思う。よき勉強。

コメント

  1. ボルテイモアのおかず

    遥か昔の新婚時に、パン粉と卵で練ってトマトソースで煮込んだハンバーグを出したら、マイケルに「これ何?」と、けげんな顔をされました。「何ってハンバーグよ」と言ったら「これは違う」と。彼のは、牛ひき肉をただ形成するだけ(こねない、丸めない)、それでお皿の上で自分で塩胡椒するだけ。パサパサして不味いと私は思いましたが、「肉の味が美味しいでしょ」と。炭火のバーベキューでハンバーガーだと美味しいですが—。
    (それ以来、挽肉はスパゲテイのトマトソースに入れるだけで、考えてみるとハンバーグってもう何十年も作ってないです—。)

    • サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      ハンバーグとハンバーガー。同じ料理のようでいてまるで違った料理ですよね。
      ミートボールを大きくすればハンバーグになるのかというとそれもまた違ったりして、違う理由はパンとご飯はまるで違った食べ物で違ったお供を必要とする…、というコトなんだなぁって、このお店のハンバーグとハンバーガーを食べて思いました。

  2. Eiko

    「パンとご飯はまるで違った食べ物で違ったお供を必要とする」。本当にそうですねぇ
    そしてだからこそ、海苔トーストも美味しく戴ける我ら日本人バンザイ!ですw

    先日OPENしたばかりの海底撈火鍋 新宿店に行き、まさにそんなことを感じていました、同じ「鍋」でも全然違うし、同じ「火鍋」でも国内資本のお店とはまるでアプローチが違う様相で、本当に食文化って面白くて、
    グローバル化とはいえ、やっぱりお国柄・土地柄の文化は残したいと思ってしまいます。

    • サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      タレを自分好みでセルフサービスでたのしめる…、っていうお店ですよね。
      行ってみなくちゃと思ってまだ行けていないお店なんです。
      仕組みやシステムはどんどんグローバル化していくでしょうけれど、その中身。コンテンツとしての料理はローカルのままで…、って思いますよね。この塩梅がむつかしいのでしょうね。

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