うるわしき雲呑、タバコの煙にほろ苦きプリン

先日来、雲呑という食べ物に執着気味。ラーメン好きの友人から本郷三丁目にワンタン麺の旨い店があると聞いてやってきてみる。
「中華蕎麦にし乃」という店。
地下鉄駅からほど近く。路地に面してお店はあってゆったりとした空間に丁寧にしつらえられた居心地のよい店。
カウンターだけ。中に厨房。仕込んだスープが湯煎されてて、ほのかな煮干しの香り混じりのおいしい匂いで満たされている。
湯煎されたスープをとって軽く沸騰させながら丁寧にアクをひいた淡麗スープを使って仕上げるラーメン。塩ダレの中華そば。山椒の香りをきかせた山椒そば。肉ワンタンにエビワンタンにチャーシューご飯と料理はそれだけ。その組み合わせ。基本の中華そばにワンタンそれぞれ3個づつと注文します。10分くらいだったかあるいは15分ほどかかりましたか…。
ラーメン店としては長めの待ち時間も、丁寧でうつくしい仕事を見てるとあっという間の出来事でした。

うつくしい仕事が生み出す料理はうつくしい。
透き通ったスープにゆったりと漂う麺。
細めでストレート、ザクザク歯切れてちらかるタイプ。
低温調理のチャーシューに茹でた小松菜、油をまとわせた白ネギ、それから「のの字」のナルト。
シンプルだけどラーメンをたのしむに必要十分。
なによりスープのおいしいことにはウットリします。おしつけがましくないおいしさに自然な甘み。酸味もほどよく魚介の香りが芳醇なコンソメスープ…、という感じ。
遅れて茹でたワンタンが別のお皿でやってくる。薄い生地でつつまれた肉餡、エビが透けて見えるのがうつくしく、色っぽいほど。まず肉ワンタンをれんげにのせてスープに浸して食べてみる。

餡に生姜の絞り汁が混ぜ込まれていて香りさわやか。そしておいしい。一方、海老ワンタンはブリンっとはじけてエビそのものの風味や食感、味わいを口の中で花開かせる。
ワンタンとはこういう料理なんだ…、と教えてくれる見事なお手本が口の中にあるって感じがしさえする。
用意されているお酢を注ぐとワンタン自体の味がストレートに口の中にやってくる。甘くてうま味の強いお酢で、肉の風味やエビの甘みがキリッと引き立つ。それをスープに浸すとスープの甘みを引き出し、後口スッキリ。ラーメンを食べてこんなに心が豊かになることってなかなか無いなぁ…。すべてをお腹に収めつつなくなっちゃうのが寂しくなるよでナルトを残して写真をパシャリ。ナルトを食べて席を立つ。

 

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せっかくの本郷三丁目。
実は本郷一丁目にオフィスがあった時代が長く、気分転換にたまに来ていた。
一丁目から坂をあがると空気が変わる。坂の下には後楽園。エネルギーに溢れた空気も坂を上がるに従って軽くのどかになっていく。のんびりするのにぴったりでした。
好きだったのは「名曲・珈琲麦」ってお店。駅の近くの地下の店。
階段を10段ほど降り踊り場があり、ドアを開けるとまた10段ほど。赤いカーペットが敷かれてて、壁には音楽家のポートレートが何枚も。クラシックの音が湧いてやってくる。今日はバッハのヴァイオリン協奏曲の1番でした。
今でもタバコが吸える特定喫煙店。昔はタバコを吸っていたから煙たいなんて思わなかったけど、吸わなくなったらやっぱり煙い。
前の席の椅子の背にテーブルがぴったりついた一人席がズラッと並ぶテーブル配置が名曲喫茶らしくて落ち着く不思議。

プリンをたのんでアイスコーヒーをお供にもらった。
ここのプリンはほれぼれするほど「ス」の入った硬めの仕上がり。プリンや茶碗蒸しはスを入れないように仕上げなくちゃいけないんですよ…、ってお料理の先生は眉をひそめるかもしれない状態で、けれどこれがおいしい。
理由はカラメル。甘みよりも苦味が勝った香ばしいカラメルが、たくさんあいた小さな穴からプリンの中に染み込んでプリン自体を大人味にする。プリンのバニラの香りと混じってチョコレートプリンを食べてるみたいな気持ちさえするオゴチソウ。やさしい味のアイスコーヒーで喉を潤しのんびりす。
そう言えば、丸の内線には三丁目が3つ。新宿三丁目に四谷三丁目、そして本郷三丁目。どの三丁目も縁がある街というのが不思議。オモシロイ。

 

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コメント

  1. Leocco

    ここのラーメンは美味しそう!
    いいですね、美味しそうで端正なスープ!
    味わって見たいです。
    マヨチャーシューご飯っていうのも気になります。

    もううぐイースターです。
    何食べようかな♡。

    • サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      4月4日のイースター。
      何を食べましょうか…。卵を割ってなにか美味しいものでも作って、春の訪れを寿ぎましょう。

      脂っぽくってゴテゴテしたラーメンが苦手なボクにとってとてもありがたいものでした。

  2. タカハシケムヂ

    王子「キング製麵」の広告があるなと思ったら、こちらの二号店だったんですね。
    雲呑麺推しは同じなんですが、少々スープの方向性が違うようですね。本郷のお店も気になります!

    • サカキシンイチロウ

      タカハシケムヂさん
      こちらのお店の方が雲呑推しのように感じます。とは言えまだキング製麺に行っていないので、いかなくてはですね。

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