うつくしきこと、おいしいことに似たりな田中田式

ちょっと用事で移動の途中、東京駅で朝ご飯。
駅改札内のグランスタのほぼ全店が朝食営業。先日、拡張部分が開業したばかりだからデベロッパーも気合が入っているのでしょう。
ただ中にはかなり無理してるよなぁ…、って感じるお店もいくつかあって、いつまでこの状態が続くんだろうって思ったりもする。
どのお店も朝は大賑わいというわけでなく、なかでも一番人を集めているのが近大マグロの味わえる店。
ただこの店、生臭い匂いが店の外までただよっていてどうにも食欲を湧かせてくれない。それで一階下のフロアの「田中田式海鮮食堂魚忠」という店を選んで食べることにした。重厚にして端正な店構え。店の面構えには店舗の主張があらわれるからしっかりとした料理を出してくれるんじゃないかとちょっとワクワクしながらお店に入る。

店の雰囲気もまた重厚。
ゆったりとした通路に大きなテーブル。
椅子も座り心地がよくて、夜には酒を飲みたくなるようなムードさえある。
焼き魚の定食。
本マグロの丼が朝のメニューでそれらにサイドの料理をそえることができるようになっている。
いつもならば焼き魚の定食を選ぶところ。
「本マグロ」という単語にかなり気持ち奪われそれで丼。
丼には汁と漬物、明太子。卵焼きがついてくる。それに追加でオクラのモロヘイヤのおひたしにとろろをたのんだ。
大きなお膳の真ん中にどっしりとした器に入った本マグロ丼。まわりにキレイに小皿や小鉢、お椀がならんで朝の景色を盛り上げる。

感心するのがどれもがうつくしいということ。
まずメインのマグロの切り分けられ方。
ある程度の厚みをもたせ、薄いところと厚いところができるようにそぎ切り並べる。
色も鮮やか。うつくしい。
漬物は大根の葉っぱの浅漬。
明太子もワサビもひゅっとつまんで小山のように盛り付ける。
目に麗しい。
けれどそれだけじゃなく箸でつまみ上げるのに易くしかも食べすすめていくにあたって器が汚れないのもありがたいところ。
量をたっぷり用意すればいいわけじゃない。必要なものが必要なだけ、うつくしくそして食べやすいように用意されているというのが粋なんだなぁ…、ってしみじみ思う。
焦げ目が均等なストライプ状に入った卵焼き。まだ熱々で甘くてジュワッと口に溶ける卵の風味。
とろろは出汁をくわえて食べやすいよう伸ばされており、叩いたモロヘイヤと茹でたオクラはスルントゥルンと口から喉をすべってお腹に一直線に落ちていく。

九州の醤油が用意されていました。博多由来のお店だからなんでしょうネ…、コクがあって旨味の強い九州醤油。脂の強いマグロに負けずとっぷり浸して口に運べば溶ける脂をおいしくさせる。ザクッと歯切れ、口の温度でたちまちとろけてご飯とまじる。
あぁ、旨いなぁ…、朝のお腹が喜ぶおいしさ。しみじみ元気が湧いてくる。
とろろをちょっとかけてご飯と一緒にスルン。スベスベとぅるとぅるがマグロのとろけを際立たせてく。大きな丼のたっぷりご飯に少々とろろをかけても負ける。それでとろろが入った器にご飯を入れて、ザブザブ食べるとこれがおいしい。オモシロイ。出汁のしっかりきいた汁。どれをとっても程よくて、朝の贅沢。オキニイリ。

 

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コメント

  1. kiko

    サカキさんがいつもこんな風にお料理やお店の「読み方」を教えてくださるので、私も行く先々で店内の意匠からおしぼやりコースターまで(お料理はなかなか難しいです。)じっくり観察するようになりました。
    そして夫や娘に「サカキさんが言ってたんだけどこれはね・・・。」って講釈を垂れるのがお決まりなんです。笑
    こういうことって教えてもらわないと見過ごしてしまいますよね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      kikoさん
      仕事柄気になって仕方ないことと、串ん坊として気になることがあって、だから外食するのがたのしくてしょうがないんです。
      1人で食事するよりも、ふたりの方がやはり気づくことは多くて、だから1人でももし彼だったらどのようにこの店をみるんだろう…、とも考えるようにしています。
      もしKikoさんも何か気づかれたことがあったら、教えて下さいね。よろしくお願いいたします。

  2. チキタン

    田中田さん
    グランスタに出されたんですね
    素敵
    今度、休みに行ってみまーす

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      チキタンさん
      昼の鯛茶漬けの定食に心動かされました。
      これからどう育ってくれるのか、たのしみでしょうがありません。

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