いちごと練乳、練乳と伊勢丹、エビにホタテに晩ご飯

伊勢丹の果物売り場にいちごがあった。
あぁ、そんな季節なんだなぁ…、と思って買った。
事故で脊椎を損傷し、食道もそれと一緒に傷んでしまって思うように食が進まずそのまま死んでしまった父。
食いしん坊だったから、好きなものを食べることが出来なかったのが何より辛かったに違いなく最期は流動食も受け付けなくなって逝っちゃった。
そんな父が最後に食べたのがいちごひと粒。
大粒のいちごを不自由な手に持って、病室の窓の外の太陽にかざして見つめてゆっくり食べて、「太陽を食べてるみたいだ」って呟いたらしい。
冬に向かって木々が色づき枯れ葉が道路をにぎわす季節に、緑の帽子をかぶった真っ赤ないちごの実って、たしかに命を感じる。封をとったら甘い匂いが部屋いっぱいに漂ってタナカくんも好きだったからお供え物にすることにした。

いちごを買った伊勢丹で練乳を買おうと思ったけど売ってなかった。
お客様対応のスタッフに、いちごと一緒に買いたいモノってなんだと思いますか?って聞いてみた。
1人はシャンパン。
伊勢丹らしいおとぼけぶりに感心しもうひとりは練乳ですときっぱり答える。
でもその練乳がここにはないって不思議ですよね。

そういうボクに、不思議ですよねとしか答えぬおとぼけぶり。あぁ、もったいない。
近所のスーパーに走っていって練乳かって、それと一緒に写真を撮ったらチョンボもとてもたのしそう。小さなフルーツボールにたっぷり練乳注いで最初はいちごにつけて食べ、最期はいちごを潰して濃厚いちごミルクのようにスルンと食べるのが好きだった。そうして食べよう…、オゴチソウ。

活きた車海老が安かった。家にもって帰ったときには体がまだビクンビクン動いてて、塩水の中に放して活かした。鍋に薄く水をはり沸騰させたところに紹興酒。そこにエビを入れて蓋してしばらく蒸らす。ひっくり返してしばらくグツグツ。火を消ししばらく休ませて、エビの紹興酒蒸しの出来上がり。
好物でした。そして食べるのが上手だった。
頭の付け根に指を入れ、ペキッと剥がして頭の中の味噌をチュチュっと吸って、それからペリペリ殻を剥く。身だけじゃなくて足もサクサク食べるからお皿に残るからはほんのちょっとだけ。同じように今日は食べます。痛風がおきぬようにと祈りつつ(笑)。

帆立貝の上等なのが手に入る。
ただ加熱用。
まずちゃちゃっと卵とじ。
テフロン加工のフライパンでホタテを炒める。
白絞油に塩をほどこし片面こんがり焼いたところで、卵をジャジャッ。少量の水にホタテエキスを溶かして混ぜて、ホタテの柱にからめるようにふっくら仕上げて出来上がり。
週末に使おうと思って結局使いきれずに残したルッコラがたっぷりあった。それを細かく刻んでご飯と炒める。ホタテの柱の残りを切って、ドライトマトも一緒にジャジャっと。味は塩味。ホタテの旨みとルッコラの風味でどうにかなるかと思って仕上げて食べる。ルッコラの渋みと苦味がなんだか七草粥のピラフ版みたいな感じで、お腹がキレイになってくよう。ふんわり仕上がった卵とホタテのプルンとはぜる感じもゴチソウ。よく出来ました、晩ご飯。

コメント

  1. ツキミダンゴ

    もし、自分がチョンボだったら。
    写真集のカメラマンはサカキさんにお願いしたいと思います。
    主役が異なる同じアングル。
    そしてイチゴクンと同様に、練乳クンも主役になれるなんて、食べ物への愛情が伝わり幸せになります。

    プラス。
    高級中華店にもひけをとらない料理に脱帽です。
    イメージ膨らませて、自分もチャーハン作ります。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ツキミダンゴさん
      三脚があればもっとしっかりとした写真が撮れるのでしょうけれど、これもアマチュアらしさと思ってあえて手持ちで。
      でも、写真を褒めていただけるとうれしいです。
      特においしいものをおいしく撮ってやろうと思う気持ちをわかっていただけると本当にうれしい。
      タナカくんが生きてる間に、もっとたくさん写真を撮っておけばよかったのに…、て本当に後悔しています。ただ遺族の方にも褒めていただいて、遺影にその一枚を選んでいただけたのがとてもうれしく、ありがたいと感謝しました。

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