「酩酊より覚醒」の時代の飲食店

スターバックスの日本進出一号店。銀座松屋の裏側に今もあります。
あるだけでなく、何度も丁寧にリニューアルされ今でも現役。やわらかな光があふれるとても気持ちいいお店になってる。

創業の店を大切にする。大切に「できる」というのは素晴らしいコト。しかもその店がいつも最先端であり続けることはなかなかできるコトじゃない。「NITRO」をもらう。水出しコーヒーに窒素をくわえて飲むアイスコーヒー。
それ専用のサーバーがカウンターの一番端に設置されてて、「もう、お飲みになりましたか?」なんて聞かれてニッコリします。サーバーの前でニコニコしながらコーヒー入れるスタッフは、果たして何のプロなんだろう…、コーヒーのプロじゃなくてたのしい時間をお客様と一緒になって作り出すプロ。…、なのかもしれないって思ったりもする。スターバックスという不思議。

細かな泡がぽってりとしたナイトロコーヒー。
見た目はすっかり黒ビールです。
一口目に唇撫でつつ、喉からお腹も撫で回すクリーミーな泡は極上。
後口スッキリで、酸味や苦味が不思議とやわらか。あぁ、おいしいなぁと思うと同時に、ビールはもういらないのかもしれないなぁ…、とも思ったりする。

お酒を飲むことによる酩酊と、コーヒーを味わうことの覚醒のどちらのニーズの分量が多いのだろう…、と思えばおそらく今は覚醒。
お酒を飲んで頭がぼんやりしちゃうと自分の好きなことができなくなるから勿体無い。
飲食店でお酒が売れなくなってきているというけれど、飲食店でもスマフォを見ながら自分の世界に没頭しようとする人たちに、お酒なんて必要はない。

いつもいいたくて面と向かって言えないことを、みんなで吐き出し仲間になるために酒の酩酊力を日本人はずっと利用していたけれど、面と向かって言えないことはメールで伝えりゃいいわけで、仲良くなるにはSNSがあるだろう…、と。
そう単純にすべてを置き換えるのは間違いだろうと思いはするけど、そういう思いを持つ人は今は多い。マジョリティ。

にも関わらず、チェーンストアのかなりの部分が居酒屋であるという現状。けれどその実体を見ればすでにチェーンストアの居酒屋の大きな部分は居酒屋ではなく、個室レストランでしかないのが現実。
業界の人はその現実から目を背けつつ、一生懸命お酒を売ろうと努力する。
最小の努力と労働で、確実に売上アップと利益形状を狙うことができるのがお酒だから一生懸命。独立開業で一攫千金を狙う若い人たちは、仲間と一緒に飲みながら酩酊混じりに、バルや小規模居酒屋を作る夢を語ってがんばる。でも酩酊混じりに見た夢は覚めればただの絵に描いた餅。
今のフォーマットでどんなに酒を売ろうと思っても酒は売れない。売るなら別のフォーマット。そもそも酒を売らずとも売上があり、利益がとれてなによりお客様がニコニコしながらたのしむ店を作らなくっちゃいかんわけです。むつかしいけど考える。

 

関連ランキング:カフェ | 銀座駅東銀座駅銀座一丁目駅

コメント

  1. Eiko

    お酒離れの理由をSNSとつなげて考えたことが無かったです…酩酊と覚醒…確かに!

    自分の周りには酒飲み、しかも美食と共に酒を嗜む人たちが多くて、二極化ですかね…

    日本酒の仕事をしていて、日本酒を「太るから」はまだ仕方ないにしても「強いから」という人がいるというのは、なんとも…酒の意味を考えさせられます。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      酒を売らなきゃいけないと思えば思うほど、酒という存在を面倒くさくしてしまう。
      グランヴァンからテーブルワインまでシームレスに繋がるお酒の楽しい世界がもっと広がればいいなぁ…、と思います。
      日本酒は太るからといいながら、パンケーキに行列してしまえる人たちが日本の飲食業をリードしていると思うと、ちょっと悲しくなっちゃいますが(笑)。

  2. かっち(山中繭子)

    お店の色や照明の具合が幾度となく変わってるなーと思いつつ、まだ行ってないお店の一つです。
    あと、飲み進めても泡がいい具合に残ってる写真が、「飲みたい」と思わせます。
    そして、今更ですが、STARBUCKSと書かれていないロゴが本当に自然に映るなーと。

    SNSで喧嘩した大事な人に、合格&内定通知を持って三回謝りに行こう、と決意した相手の会社の最寄りのスタバなんで、つい今しがた熱くなっております。

    面と向かって「伝わってほしい」ことは、面と向かって伝えるしかないと、やっぱり思ってしまって。それでも、伝わるかどうかわからないのに、SNSでは伝わらないと思ってしまいました。
    飲食店でも電車でもSNSを操作できない体質なので、マジョリティにはなれない私が非常識なのかもしれませんが。

    どうしたら人が来るのか…二つとも余り飲めませんが、日本酒も緑茶も同じ理由で好きなんです。
    両方とも、地域によって味が本当に違うことを、カフェインやお酒に弱い人でも楽しめる仕組みがあればいいのかな、と思います。
    鹿児島のお茶飲んだ後の伊勢茶の渋さ、リンゴっぽい青森の日本酒を飲んだ後の宮崎はパッションフルーツぽいのでわかりやすいと思うんですが。

    あと、自習室にスマホ操作禁止のバルが併設されてたら私たまに行くと思います。
    ・・・ご参考になれば(多分ならない

    余談ですが、デブが何だ!自己肯定出来てたらええやないか!という記事を書いたので、お時間ございましたらご笑覧下さい。
    サカキさんのことも考えながら書いたので、ご連絡までに。
    http://foolishandweak.hatenablog.com/entry/2017/10/27/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E4%BE%A1%E5%80%A4%E8%A6%B3%E3%80%81%E5%90%B9%E3%81%A3%E9%A3%9B%E3%81%B6

    • サカキシンイチロウ

      かっち(山中繭子)さん
      SNSでなんでも済んじゃう。
      電話よりメールの方が本音を伝えることができる。
      …、うーん、なんか人間の主体性ってどこにいっちゃったんだろうと思います。
      ちなみに、世の中、ダイバーシティーがどうだこうだと言いながら、おしゃれな洋服のサイズはどんどん細身になるし、「標準」といわれる体型の範囲がとても小さくなってる最近。やさしくないなぁ…、って思います。

  3. かっち(山中繭子)

    SNS依存って、主体性を持ちたくないことの表れかもしれませんね。

    不健康な体重じゃないと着れない服は確かに増えてきたと思います。
    もう少し、ファジーでお洒落な服が普及する世の中にしたいものですね。通勤服含めて。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。