「澪つくし」あらため「ボガマリ渋二」オキニイリ!

夜、渋谷の「ボガマリ渋二」にやってくる。
北参道にあるボガマリ・クチーナ・マリナーラ。魚料理しかないイタリア料理の専門店。その一年ほど前にできた日本料理のお店が「澪つくし」。
渋谷の町外れにあって、本店と同じくオープンキッチン。キッチンのかたわらに魚が入ったショーケースがあり調理方法をお店の人と一緒になって考える…、という仕組みも本店譲り。ただ先日、ちょっと改装し、イタリア料理のエッセンスも加えてメニューもブラッシュアップ。試してみようとやってくる。
半個室っぽいしつらえだったお店の壁が取り除かれて、カウンターの上にもお酒のボトルがズラリ。以前よりも気軽なムードになってた。魚もショーケースまで見に行くのじゃなく、テーブルにまで持ってきてくれ決めるスタイル。まずは刺し身用の魚を選んで乾杯。いい感じ。

泡で乾杯。お供に突き出し。釜揚げしらすとスライスオニオン。レモンをしぼってオリーブオイルで風味を付けたさっぱり料理。早速イタリア料理アクセントの料理にニッコリ。酒の肴的スピードメニューが20種類ほど黒板に書かれてあって、そこから5つ。
ワカサギの南蛮漬けは厚めの衣がポッテリとろけ、腸の渋みがピリリと後味さわやか。春雨サラダにはエビがたっぷり。こういう料理のエビもちょっと前まで生きてたものをつかうというのがこの店らしく甘くて食感たしか。
ポテトサラダには明太子。小松菜と油揚げのおひたしは出汁がおいしくホっとする。たこコロッケっていうのがあって、たのんでみるとタコのミンチをトマトソースでアラビアータ風にしあげて芋と一緒にまとめたもの。タコの旨味がピリ辛ソースで引き立てられてなんとも旨い。

このとりあえずを食べながら、他の料理の献立つくる。
木箱にずらりと貝や魚がならんで登場。どれも新鮮なのでしょう…、魚なんて目が活きている。
そのまま食べておいしいもの。焼けばおいしくなるものに油と相性いいものと素材、素材の特徴を教えてもらいながらあれこれ、献立つくる時間がたのしい。

厨房の中からバースデーケーキがやってきました。それに合わせて店長が奥からアコーディオンをひっぱりだしてやってきて、お誕生日の唄を演奏。それに合わせてお店の人が唄を歌ってお祝いをする。いいな…、と思った。無伴奏で歌うお誕生日の唄はちょっと気恥ずかしい。BGMがいきなりとまって伴奏流れてきたりするのは大げさで、でもこういう伴奏付きの唄は気持ち明るくほんわかしてくる。

刺し身がきます。
ヒラメにカツオ、マグロの赤身にアオリイカ。それぞれ一人一切れずつという分量で、一切れ分はかなりの分厚さ。口の中での存在感がなかなかのもの。
ねっとりとしたヒラメのなめらか。
マグロの赤身はひんやりしていて、軽い酸味がマグロらしさを主張している。新鮮なカツオだったのでしょう…、ザクッと歯切れてねっとり、歯茎を撫で回す。
特においしく感心したのがアオリイカ。もったりとして奥歯のまわりをなでまわしつつ、噛み続けると粘ってとろけて強い甘みを残して消える。あぁ、もう一切れと思うもひたすら、味の思い出を反芻するのみ。
食べ終わる直前にお店の人がやってきて、大根のツマでサラダをお作りしましょうか…、と。お願いすると柑橘の酢と醤油で味を整えている。気が利いてるなぁ…、しかもちょっと得した感じ。特に女性が喜ぶこういう気配りはいいなと思った。お勉強。

脂ののったかますを使った、燻製つぼ焼き。
カマスの身だけを削ぎきって、クルンとまるめて串にさす。
それをこんがり炭で焼き上げ、焼けた切り身を串ごと壺の中に収める。燻蒸します。
壺がテーブルに近づいてくるとすでに煙の匂いが香ばしく、蓋をあけるとおいしい香りが噴き出してくる。串を取り出すと煙の香りに混じっておいしい魚の匂い。串から外してお皿に移す。まるでバーベキューが盛られるみたいな感じに思わず喉がなる。
ふっくら、しっとり、こんがり焼けたカマスの切り身。
自分の脂で皮がパリッとやけていて、口に含むとザクッと崩れておいしい脂がジュワリとにじむ。お供はピリリと辛い大根おろしとネギ味噌、こんがり焼けたしいたけと、どれも酒の肴にぴったり。堪能します。

それから揚げ物。メヒカリとイカ、牡蠣を揚げてもらいます。
程よいサイズのメヒカリに軽く粉をはたいて揚げただけ。これまた鮮度なればこそでしょう…、ふっくらふんわり。魚全体がまるで魚の卵のようにパラパラ崩れて口の中で転がるたのしさ。香りもやさしくたちまち虜。イカのフリットができますが…、というので作ってもらった大好物。ゲソの部分はやわらかに、胴体部分は筒切りにしてバリバリ乾いて仕上げるところが、イタリア料理的でたのしい。
細かなパン粉でさっくり揚がったカキフライは、いぶりがっこを混ぜたタルタルソースで味わう。なんとジューシー。パリポリとしたいぶりがっこの食感が、牡蠣のなめらかを引き立てる。

最後の料理はアクアパッツァにいたします。
魚はクロムツ。若干小さな個体で、それと貝をあわせて作る。
イタリア的に作るなら、オリーブオイルで一旦素材をいためて水。沸騰させて味をととのえて作るのだけど、日本料理の店だからと油は使わず蒸し上げる。
ただにんにくを潰して一個。
ドライトマトを刻んで加え最後にイタリアンパセリで香りをつける。
日本料理のようであり、けれどやっぱりイタリア的という不思議な仕上がり。やさしく、同時に力強くて魚の旨味が加えた水をスープに変える。
ヒオウギ貝にアサリにはまぐりと貝のひとつひとつがおいしくて、よき夜の〆。
かつて日本料理にこだわっていた頃に比べて、力強さとたのしさがましたように感じていいなと思ってニッコリ。またまいりましょう…、とお店をあとにいたします。

 

関連ランキング:魚介・海鮮料理 | 渋谷駅表参道駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。