渋谷の海老昌、大昌の昼、悶絶ス!

夕方からの打ち合わせのため、ちょっと早めに渋谷に移動。遅めの昼食を「海老昌」というお店にてする。

ebi2ebi1渋谷の外れのBunkamura。
その向かい側の坂道をダラダラ上がった途中にあるビルの地下。
パッとしない場所のぱっとしないビルのしかもパッとしない地下一階という、そんなロケーションにお店を作った。
自信がなくてはできぬこと。

店まではエレベーターで向かうのだけど、エレベーターにのった途端においしい匂いがやってくる。
実はエビフライの専門店で、その匂い。こんがり揚がった油の香りにエビ独特の甘い匂いが混じって鉄の箱を満たしているのです。
それを降りるとすでに店。ご婦人二人が待ってらっしゃった。ただちょうどお客様の入れ替わりというタイミングで、5分ほど。セッティングの時間を待ってすぐ着席という幸先のよさ。
L字型のカウンターの中には厨房。それもフライヤーがほとんどというシンプルな厨房で、周りにグルリと10席ほどが用意されてる。

ebi ssエビのサイズが3種類。
それぞれにご飯とスープがついた定食になっていて、一番大きなエビを使った「大昌」なる定食たのんで待つことにする。
本当は今日2食分だけ入荷したという特大のエビを食べたかったけど当然時間が時間で売り切れ。ガマンした。

冷えたお水がグラスにまずはやってくる。
手元にナイフ・フォークとスプーン。
このスプーンが小さくコロンと頭がまんまる。おそらくエビの頭の中の味噌をこれですくって食べて…、というメッセージでありましょう。
このセッティングで期待がわきます。そしてお腹がグーッとなる。

今日のスープは冷たいスープ。じゃがいもをすりおろして作ったビシソワーズで、小さなカップにやってくる。
そのままカップを持ち上げて召し上がってと言われてそうする。カップがキンと冷やされていて、手から冷たさ感じて味わう。スープ自体は若干とろっと重たい食感。ザラザラとした擦ったじゃがいもの細かな繊維を感じつつ、喉をトロリとなでてかけておりお腹にストン。
厨房の奥からシュワシュワカラコロと、エビのフライが出来上がっていく音を聞きつつ味わいたのしむ。

ebi fryebi atamaお待たせしました…、とやってきたエビフライを見てしばし悶絶。
太くて大きい。
うつくしく揚がるようにと若干手伸ばしをしているけれど、大きく見せるためにパン粉で増量したようなフライではなく、頭、尻尾の大きさがエビの大きさを証明してる。
しかも頭も尻尾も色うつくしい。
パン粉は細かく、薄付きで、油切れもよくカラッとしてる。

まずは頭を指でとる。
するとすかさず、紙おしぼりがやってくる。ワッフル状の分厚いおしぼり。心置きなく指を汚して食べてくださいのメッセージ。
頭を取ると中にはタップリ味噌にジュースがつまってて、スプーンですくうのも面倒くさい。パクっとかぶりついてチュウチュウ、吸い込み味わう。
甘い。おいしい。香り強烈。
肉はブリッと歯ごたえあってたくましく、なにより甘い。
ムチュンと歯切れたところにパン粉がカサカサちらかり、油の風味で旨味が広がる。レモンを絞ると油の香りがおだやかになり、エビそのものの風味と旨味にうっとりします。溺れます。揚げるといいつつ、パン粉衣に守られたエビはあたかも蒸されたように仕上がって、甘み、旨味を凝縮させる。パン粉の衣の中にすべてがとどまっている…、それをもれなく味わうステキ。うっとりします。降参です。

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父と一緒に来たかったなぁ…、オヤジは無類のエビフライ好き。学生の頃、ナイフフォーク使いを上手になりたくて毎週、新宿の中村屋さんでエビフライを食べて練習していたほどで、頭や尻尾を器用にナイフ・フォークで取って食べる様、優雅なほど。
でもこのエビフライは、そんなお行儀良さを忘れさせるに十分で、指を舐め舐め心置きなく貪り食べたに違いない。足もバリバリ、尻尾もバリバリ。あっという間にお皿の上には固くて口にできない殻だけ残して空っぽ。
これで1500円とちょっというのが申し訳ないほどのボリューム、おいしさでまた来ましょうと思って帰る。また来ます。

 

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